2代目Audi 100で外せない話題といえば、やはり史上初となるガソリン5気筒エンジンの搭載でしょう。同一クラスでの競合相手となるBMWやMercedesは当時既に2リッター超えのエンジンとしてV6を採用しており、Audiとしても回転のスムーズさあるいは静粛性といった観点からこれらに匹敵するエンジンを搭載することが望ましいとされていたのですが、フロントエンジン縦置き、フロントドライブを身上とするAudiとしては、大きく重い直列6気筒を載せることは操縦性の悪化に繋がることもあり出来ない相談であったわけです。

そこで登場したのがPassat/Audi 80用の1,588cc直列4気筒SOHCに1気筒追加し、ロング・ストローク化した85kW/115PS(のちに100kW/136PS)の2,144cc直列5気筒です。開発を担当したのはPorscheから移籍したFerdinand Piëchの率いるチーム。Piëchは1975年にはAudiの開発担当重役となりますので、2代目Audi 100は全体を通してもかれの仕事ということになります。

さて、こちらはHerpaの手による2代目Audi 100の1:87ミニカー。復刻版である"Serie 70"では1977年モデルの"GL 5E"とのことですから、まさしくその5気筒エンジンを搭載しているモデルをミニカー化しているということになります。

Reinweiß、Verkehrsgelb、Sandgelbの3台はIMAGINEさんにお譲りいただいたもの。