2代目のAudi 100ではCoupeが廃止され、2ドアおよび4ドアモデルのみのラインアップでしたが、1977年9月になって新しいバリエーションの"Avant"が登場します。いまでこそAudiにおける"Avant"と、VWの"Variant"は近しいボディ形状をしていますが、登場当初の"Avant"はセダンのCピラー部分をボディ後端まで延伸した"Schrägheck"(ハッチバック)であったものが、世代を経るにつれ現在のようにある程度積載容量を考慮したステーションワゴン形状に変化したのに対し、VWの"Variant"は空力特性や見映えに配慮した結果、リアウインドウがだんだん寝かされていき現在の形状になったもの。まるで逆のアプローチがおなじ結果に到達している面白い例といえるでしょう。"Avant"登場の背景には、競合相手であるMercedesのW123に1977年より"T-Modell"が設定されたことがあったものと思われます。

Nachtblau(M)を除く6台が1979年から1985年まで作られていたHerpa製の100 Avant。Herpa初期の製品なだけに、現在のものからは想像もつかないほどの部品点数の少なさです。"Serie 70"はこれらオリジナルの金型はそのままに、塗りによるディテール追加やホイールの換装により実車の再現度を高めた1996年の復刻版。箱書きでは1976年モデルとされていますが、100 Avantは1978年モデルからなので、さすがにこれはおかしいように思います。

Taubenblauは300SLerさんにご紹介いただいた英国のお店から通販で入手、MoosgrünおよびNachtblau(M)を除いた残りの4台はIMAGINEさんにお譲りいただいたいずれも名品。