第3世代となるA3は2012年の"Salon International de l'Auto"(ジュネーブサロン)でワールドプレミアされました。Volkswagenグループのエンジン横置きFF車向けモジュラー・ストラテジーである"MQB"(Modulen Quer Baukasten)を初めて採用します。従来の呼びかたでは第7世代Golfベース、すなわち"A7"に該当することになりますが、今後この分類が意味あるものとして残るかどうかについては不透明。

ボディサイズは4,237*1,777*1,421。先代は4,238*1,765*1,421でしたからほとんど変わらず、ホイールベースだけが2,578mmから2,601mmへと23mm拡大されています。数字だけを見ると先代より胴長になっているはずなのですが、却ってルックスはスポーティになっているように見えるのはひとえにデザインの賜物なのでしょうか。もはやGolf系列であることは微塵も感じさせず、トランク部分を切り落としたA4のようにも見えます。現状用意されているエンジンラインアップは90kW/122PSの1.4 TFSI、132kW/180PSの1.8 TFSI、77kW/105PSの1.6 TDI、110kW/150PSの2.0 TDIの4種。軽量化を追及した結果、1.4 TFSI搭載車比で80kgの軽量化を実現しています。

さて、1:87スケール・ミニカーのAudi別注品は先代A3に引き続きまたしてもHerpa製。造作はいつにも増して隙がなく、ボディカラーもありがちなEissilberとかではないので個人的には満足です。ミニカーではウインドウ回りのメッキモールとフォグランプを装備しているのですが、標準状態(追加オプションを指定しない)でこの状態になっている実車というのはじつはありません。"Ambition"に"Glanzpaket"を指定しているか、"Ambiente"に"Nebelscheinwerfer"を追加しているかだと思うのですが、さすがにこれ以上は追い掛けようもありませんで。なお、ミニカーが履いている「ひねり」の加わったアルミホイールというのも実車には設定がないもの。実車の最終仕様の詰めとミニカー製作は同時並行で行われますので、しばしばこのような食い違いが発生するようです。

H0スケールのレイアウト用として想定されているHerpaのシリーズ"SCENIX EDITION"に追加された1台。鉄道模型用のトランスに接続することで灯火を点灯させるギミックが仕込まれています。もちろんドライバーも乗車済み。ただ、コネクタとケーブルがはじめから装着済みであるため、ミニカー単体としてはあまり楽しくありません。それどころかコネクタがパッケージに貼り付けられているので取り出すことさえできず。