どうにもひどい出来のAudi A4 Cabrioletのミニカー。"4D modell"という中国メーカーの製品です。なにかの「おまけ」とかそういう種類のものではなくて、れっきとした単独商品である模様。Herpaの"MINIKIT"と同様に組み立て式の体裁を採りますが、どちらかというと昔懐かしい"Kellog's"のおまけの劣化版といった感じ。Herpa製という良くできたミニカーが存在しているのに、コピーではなくまったくの独自造型。いろいろと力の使いどころを間違っています。実物を見ているぶんにはさして気にならないのですが、こうして画像にしてみると救いようのないプロポーションの破壊具合となっていますね。

このミニカーでただひとつ評価できるのは、ドアの開閉ギミックをこのスケールにも かかわらず組み込んでいるところ。もっとも、それ以前にやるべきことがたくさんあるだろうという気持ちをまったく変えることはできませんが。材質はいちおうABSということになっていますがソフビに近いふにゃふにゃさで、逆にそれを頼りに無理矢理組み付けさせるみたいな側面も強いです。

こちらが外箱。デザインセンスのなさ加減は日本製のミニカーにも通じるものがあります。東洋人の気質のなせる技、なのでしょうか。箱書きおよびパッケージ画像はどちらもこのミニカーがA5 Cabrioletであることを主張していますが、どこからどう見ても中身はA4 Cabriolet。詰めが甘いなどというレベルではありません。もちろん、中国ではA4 CabrioletがA5 Cabrioletとして販売されている、ということもないようです。箱の雰囲気からすると中国国内での販売のみが想定された製品のようですので、いろいろ突っ込むのも気の毒なのかも知れません。"003"というシリーズ番号が振られていることからもわかるとおりシリーズもので全16種がラインアップされているのですが、その中に1:87スケールではいままでミニカー化されていない車種(英国車、日本車など)も含まれていたため、欧州方面の蒐集家たちの注目を浴びたのが運の尽きとなってしまいました。