2009年7月16日、"100 Jahre Audi"を祝して発表されたのがCoupe、Cabrioletに続くA5シリーズ第3のバリエーションとなるA5 Sportbackです。Coupeのようにエモーショナルかつエレガント、Limousineのように安楽で、Avantのように実用的な「5ドアクーペ」。新たなカテゴリに属するようでありながら、実用に与するあまりにもともと持っていた流れるような美しさを失っていったAvantの、1980年代前半への回帰を目指したものであるようにも思えます。フロントおよびリアの見た目はA5そのままですが、ホイールベースは2,751mmから2,810mmに延長されており、全長もA5の4,625mmに対して4,711mmに。

さて、1:87ミニカーは予定調和のHerpa製。相変わらずの中国生産で、Audi別注品ではご丁寧なことに"Made in China"と外箱に印刷されていますが、さすがにかなり品質は上がってきておりA6 allroadやR8のような粗雑さはなくなりました。リアエンブレムによれば、モデルとなった実車は155kW/211PSの2.0 TFSI quattroなのですが、リアコンビネーションランプは相変わらず上半分が銀色に塗られていたり、両側出しのマフラーエンドがメッキされているなどのミスが見られます(メッキされるのは3.2 FSI、2.7 TDI、3.0 TDI)。面白いのはとうとうこのスケールでも「シャークフィンアンテナ」が再現されるに至ったこと。

Eissilber(M)-1は後続のEissilber(M)-2の試作品と思われる1台です。組み付けの状態が妙に丁寧だったりする代わりに、製品版にはある各パーツへの色差しがありません(ピラー部分をよく見てください)。モノとして珍しいものではあるのですが、ミニカーとしてはどうなのか、なかなかに悩ましい品であります。