"A8"に始まったAudiの新しいネーミングルールである「Aシリーズ」準拠の第2弾として登場したのが1994年6月発表の初代A6です。A8やこのあと追加されるA4とは違い完全な新型ではなく、実質的には4代目Audi 100(C4)のフェイスリフト版に該当します。これは公式/非公式を問わず統一された見解で、初代Audi 100からの通算世代は"C4"と変わらず、Typコードも4代目Audi 100とおなじ"4Ax"のまま。VW/Audiグループの中ではモデルチェンジなしに車名のみが変更された唯一の例で、完全新型の"A6"は1997年の2代目を待たねばなりません。

もちろん、"A6"となるにあたってはフロントグリルの逆台形部分の傾斜を強めたり、ボディを取り囲んでいた樹脂製生地色のプロテクションモールを取り除いたりといった、A8、A4とのデザイン的な整合性を保つための変更が加えられており、土台はおなじながら新しさをうまく取り入れた姿となっています。なお、Audi独自のパッシブ・セーフティ機構"procon-ten"は廃止され、運転席および助手席のエアバッグが標準装備となりました。

ネーミングルールの変更という重要なターニングポイントに出現した車種なだけに、初代A6は1:87スケールでもきちんとラインアップされています。先代となる4代目Audi 100と同様Rietze製ですが、外観の変更点を正しく反映するため車台、ボディともに新しい型を起こしています。