1994年3月の"Salon International de l'Auto"(ジュネーブサロン)で一般公開されたA8はAudiの新たなるフラッグシップ。"Oberklasse"、すなわちFセグメント車両としてはV8の後継車に該当します。1993年の"IAA Frankfurt"で一般公開されたAudi ASFの市販バージョン。米国Alcoa, Inc.の技術協力により誕生した"Audi Space Frame"を量産車としては初めて採用、従来比で20%から40%ボディが軽量化されており、これにより全長5,034mmの巨大な体躯に見合わぬ軽やかな運動性能と省燃費を実現させています。さすがにASFに載せられていた6.0リッターW型12気筒エンジンは登場時にはまだ設定されておらず、128kW/174PSの2.8リッターV型6気筒、169kW/230PSの3.7リッターか220kW/300PSの4.2リッターV型8気筒を搭載します。

1:87スケールではRietzeによるミニカー化。実車でもASFが既に限りなく市販車両に近いスタイリングをしていたため、ボディ部分はASFのものをそのまま転用、のっぺらぼうだったシャシー部分のみを作り直しています。箱書きによれば、モデルとなった実車は4.2quattro。残念ながらパーツの成型があまりよろしくありませんで、フラッグシップの貫禄はかろうじてボディの大きさだけで保たれている感じ。

SignalschwarzはPreiserへのOEM製品です。Preiserはフィギュアに特化したメーカーなのですが、そのせいもあってかこのミニカーにはきちんとひとが乗っています。ショーファーつきで、なおかつ後部座席には将官級と思われる軍人さん夫婦が座っているという具合。このクルマのポジションをよくわかったチョイスです。"need for speed"はHofstetterさんというかたがお作りになった二次加工品。Silber(M)はTASCAさんから譲っていただきました。