3代目A8のハイパフォーマンス・バージョンであるS8は、2011年9月の"IAA Frankfurt"においてS6、S7 Spartbackとともに一般公開されました。先代のS8が採用していた5,204ccのV10から3,993ccのV8へとダウンサイジングしながらも、最大出力は382kW/520PSへと強化されています。最高速度こそ自主規制により250km/hですが、100km/hまでの到達時間は4.2秒。そのくせダウンサイズされたエンジン、ATの8速化、アイドリングストップ、巡航時に半分のシリンダーを休止させるシリンダー・オン・デマンドなどの相乗効果により100km走行燃費は10.2lと、先代比で約23%も向上しています。

1:87スケール・ミニカーは2011年の10月にスペインで開かれたメディア向け試乗会の"Presskit"に同梱されていたもの。S8でのみ選択可能となるボディカラー"Prismasilber Kristalleffekt"を纏い、これまたS8専用の"5-Triplespeichen-Design"21インチ・アルミ・ホイールを装着、"Aluminiumoptik"風に見えるようドアミラーを銀色に塗装するなどS8らしくなるよう一生懸命小技を繰り出してはいるのですが、コストの関係からかHerpa製の通常版A8をそのまま流用しているためにフロントグリルやサイドダクト、フロントバンパーの形状など、S8とA8の明確な相違をすべからくスポイルする結果になってしまっています。なにより、S8のマフラーエンドは左右に2本づつ出ているだろうと。他ならぬAudi自身が「これがS8だ」と認めているようですのでそれはそれでしかたがない気もいたしますが、これが許されるとなるといずれはなんでもありな世界になってしまうような気が。