Audi Coupeは基幹車種であるAudi 80のクーペバージョン。初代Coupeはは2代目の80(B2/Typ81)をベースとしたもので、1980年10月に発表されています。先んじて登場したUr Quattroからブリスターフェンダーを取り除いた、いかにもAudiらしい端整なラインを持つクルマに仕上がっていましたが、あまりにUr Quattroが有名であり過ぎるがゆえに陰に隠れてしまいがちです。

さて、ベース車であるAudi 80が3代目(B3/Typ89)へ移行したのにともない、そのバリエーションであるAudi Coupeも1988年9月にフルモデルチェンジして2代目となります。Cピラーをボディ後端まで伸ばしてクーペスタイルとする手法は先代からの踏襲。実質Audi 80の豪華版であった90と同様バンパーガードは最初からボディ同色に塗装されていました。

Herpa製のAudi Coupeには2種類ありますが、こちらは"High Tech"というギミック仕込みのシリーズ中のひとつとして販売されたもので、フロントフードが開閉し、125kW/170PSの2.3リッター5気筒エンジンを見ることができるようになっています。

ミニカーでは"90 quattro"を名乗っていますが、正しくは"Coupe quattro 20V"。フロントグリルのデザインが90のそれであったり、ボンネットのバルジがボディラインに沿っていたりするのは、1989年モデルから1991年モデルまでの「前期型」Coupe共通の特徴です。