AudiのSUV、"Q"シリーズの第3弾となるのがこのQ3です。発表は2011年4月13日、一般公開は上海モーターショー。"Q"に続く数字が示すようにA3シリーズのオンロードSUV版で、VWグループ全体から見ると実質的にはVW Tiguanの兄弟車（同型車）ということになります。4,385*1,831*1,608というボディサイズはTiguanの4,526*1,809*1,703とはホイールベース以外まったく一致せず、当然のことながらエクステリア・デザインも異なっているのですが、意識して見るとサイドビューなどは意外に似ているような。搭載されるエンジンは125kW/170PSまたは155kW/211PSの2.0 TFSIと103kW/140PSまたは130kW/177PSの2.0 TDIの計4種類で、それぞれ出力の小さいほうが6速マニュアル、大きいほうが7速S-Tronicとの組み合わせ。生産はSeat, S.A.のMartorell工場。

1:87スケール・ミニカーはほぼ当然のHerpa製。7代目A6シリーズはドイツ生産を謳っていましたが、こちらのQ3はまた中国生産に戻っています。だからといって仕上がりが劣るとかそういうことはないのですが、ただ実車を忠実に縮小して模型にしました、みたいな事務的な香りが濃厚に漂っていて、ミニカーが本来持っていた「味」のようなものはたいへん希薄になっているように感じます。モデルとなった実車はおそらく出力の大きいほうの2.0 TFSIか2.0 TDIのどちらか。この2種はおなじQ3でも上級仕様的な位置づけのようで、マフラーエンドやルーフレールが標準でクロム仕上げとなっておりますので。装着するアルミホイールはオプションの18インチ"5-Doppelspeichen-Design"。

Samoaorangeは2011年10月15日から11月3日にかけて行われたデモンストレーション型イベント"Trans China Tour 2011"記念のミニカーです。昨今Audiが得意としている、一般には入手の難しいメディア向けの特注品(ある意味正しい姿の特注品)。なぜかこのイベントに関しては2回特注品が製作されていて、初回の2台は通常のAudi別注品のお化粧直しバージョンだったのに対し、こちらは総走行距離5,700kmの「穿越中国之旅」に参加した20台のQ3とおなじボディカラー、ホイール、マーキングをまとったものとなっています(ただし、実車はリアフェンダー後端に車番が入っている)。