Audiのリアル・スポーツ車両であるR8のフェイスリフト版が発表されたのは2012年の7月25日。モデル追加の繰り返しで若干煩雑になったラインアップが整理されると同時に、上部の角が落とされた逆台形のフロントグリルに代表されるような、最新のデザインラインへの適応が実施されています。ハイライトはトランスミッションが従来の"R Tronic"に代わり"S Tronic"となったこと。搭載エンジンは316kW/430PSのV8 4.2 FSI、386kW/525PSのV10 5.2 FSI、加えてトップエンドとして404kW/550PSに出力を拡大された"V10 plus"が設定されます。なお、6速MTが選択できるのはV8 4.2 FSIのみ。

Herpaではこのフェイスリフト版R8のミニカーの発売をわりと早いタイミングから公開していました。昨今"Pressekit"における「雑なバリエーションモデル」が目立っているHerpaのこと、果たして従来品に適切な手が加えられるのかどうか危惧していたのですが、こうして出てきたAudi別注品を見る限りでは、どうやらフェイスリフト版を名乗らせるだけの改修は行った模様。フロントグリルやホイールは新造されていますし、マフラーエンドはきちんと大径の2本出しに変更されています。張り出し形状が異なる"Sideblade"、外縁部まで塗装されたフロント/リアグリルなどはV10特有の意匠。Herpa製の従来品はV8を元ネタとしているため、今回のフェイスリフト版と比較した場合、相違点がV8とV10の違いによるものなのか、フェイスリフトによる変更なのか区別するのが難しくなっています。

既に述べてしまいましたが、今回のフェイスリフト版はV10 5.2 FSI quattroを元ネタにしているものと思われます。Brillantrotの"SideBlade"はやや怪しいですがおそらく"Oxygensilber"で、Daytonagrauのは"Carbon Sigma"。アルミ･ホイールは19インチ"5-Doppelsp.-Design"の"Titanoptik"。ドアミラーが黒く塗られているのはオプション"Außspiegelhäuse in Carbon"をイメージした処置と推測。