R8 5.2 FSI quattroをベースに、純粋なレースカーであるR8 LMSの公道バージョンとして製作されたのがR8 GTです。市販されるR8の中では性能的、価格的に最上位に位置しますが(2011年8月現在)、標準モデルではなく全世界333台の限定生産。日本にはこのうちの5台が導入されると伝えられます。公式発表は2010年5月1日。シフトノブのトップには限定生産の証である製造番号が刻印されています。

R8シリーズでは、ASFを採用するホワイトボディの重量は210kg、エンジンフレームはマグネシウム製とするなどもともと軽量化が徹底されていて、標準モデルのR8 5.2 FSI quattroでも車両総重量は1,625kgしかありませんが、R8 GTでは薄型ガラス、軽量ポリカーボネイト、カーボンファイバー織り込みプラスチック(CFRP)などをボディの各部位に使用することで100kgのさらなる軽量化を実現させています。いっぽう、エンジンは5,204ccと排気量こそ5.2 FSIと変わりませんが出力が35PS引き上げられ412kW/560PSに。結果として0～100km/h加速は3.6秒、最高速度は320km/hとなっています。

Mattschwarzは2011年8月に発売されたSparkの標準品。一瞥したところさも「通好みのクルマ」をSparkがまったくの自力で商品化しているかのように見えますが、じつはこちらも自動車メーカーのミニカー戦略の所産で、2010年にAudiから発注されたSuzukagrau、Samoaorangeをあらためて標準品とした1台。Sparkには前作にR8 5.2 FSI Quattroがありますが、例によってこちらとは外観上の相違点が数多くあるためまるまる作り直しとなっています。なお、ボディカラーのつや消し黒というのは昨今のスポーツカー系ではいかにもありそうな色ですが、じつはR8 GTの標準設定色ではありませんのでご注意を。