2014年の"Salon International de l'Auto"(ジュネーブサロン)において初公開されました、通算3代目となるTTです。初代TTの登場から16年、フロントフェイスこそ最新のAudiテイストになりはしたもののおおまかなアウトラインは変わりません。とくに真横からの眺めは初代や2代目と共通するもの。ボディサイズも4,180*1,832*1,353と、先代とほぼ変わらず。ホイールベースはだけ37mm延伸されたものの、その分前後のオーバーハングを切り詰めることで辻褄を合わせています。アルミとスチールのコンポジットなASFもさらにブラッシュアップされ、最大で90kgの軽量化を実現させるに至りました。

採用されている数々の新機軸の中でもとくにスポットが当たりがちなのが、メーターパネルをそのまま12.3インチの液晶パネルに置き換えた"Audi virtual cockpit"。従来の速度計や回転計、マルチファンクション・インジケータなどをすべて包含した情報表示を行うのみならず、オーディオやナビゲーション・システムまでをも統合させることに成功しています。このため、航空機をイメージしたと思われる水平基調のクリーンな内装のセンターパネルには、オーディオ/ナビゲーション系の操作部がそもそも設置されていません(注：ただしナビゲーション・システムはオプション)。

さて、3代目TTの1:87ミニカーは、Herpaがその製作の栄誉を賜っています。Audi現行車両のミニカーはQ7を除くすべてがHerpa製ですので、新型TTがHerpa製だからといって驚くほどのこともないのですが。じつはTTに関しては初代がRietze、2代目はWiking製なのですね。Herpaとしては3代目にしてようやくこのクルマのミニカー製作を獲ることができたというわけです。さすがに隙のない仕上がりではあるのですが、あまりに優等生過ぎていてそれこそ「エモーショナル」な感じに欠けるように思えるのはわたしだけでしょうか。