2008年の"IAA Hannover"で紹介された、"Pickup Concept"の量産市販バージョンが"Amarok"。2009年の半ばからVWN（Volkswagen商用車）の公式サイトでティーザーが打たれていましたが、12月1日になってようやく正式発表となりました。"Mittelklasse-Pickup"カテゴリに属する車両で、1トン積みのピックアップ・トラックとしてはあの"Taro"以来の新型車ということになります。生産はVolkswagen Argentina S.A.のPacheco工場、展開は2010年以降にまず南アメリカ、オーストラリア、南アフリカ地域から行われるものの紛れもなくグローバル車両（世界戦略車）。もっとも、日本で目にすることはまずないものと推測されます。"Amarok"は、Inuitのことばで"Wolf"を意味するものとのこと。

登場時期が時期なだけにモデル末期であるTouaregとの関連を憶測される向きが少なからずおられると思うのですが、共通点はただオフローダー形状であるということだけ。そのいでたちからは、少なくとも現行のTouaregとの類似性はまったく見当たりません。シャシー構造が近しいこと、VW車としては珍しく給油口がボディ左側にあることなどから、T5シリーズをベースにしているのではないかと推測されます。ボディサイズは5,254*1,954*1,834、ホイールベースは3,095mm。当然四輪駆動仕様が用意されますが、4MOTIONでも4XMOTIONでもない「トルセン・デフを使ったシステム」であるとアナウンスされています。

　Amarokに現状ラインアップされているのはダブルキャブのみ、ベースグレードとHighlineの2種。2011年にシングルキャブ・モデルが追加される予定となっています。Golf、Poloなどの例に倣うと、ミニカーはアンダーグリルの縁取りが銀色に塗られているのでHighline。エンジンは120kW/163PSの2.0 BiTDIのみがカタログに記載されていますが、ミニカーでは面白いことにリアエンブレムが"TSI"となっています。将来、追加されるガソリンエンジンを先取りしているということなのでしょうか。