3代目Golfベースで内外装が4代目風にアップデートされた、いわゆる「3.5カブリオ」の生産終了後しばらくの間「VWのオープンモデル」はEosがそのポジションを守っていましたが、2011年2月23日、6代目Golfをベースとする通算3代目Golf Cabrioletが発表されました。"Salon International de l'Auto"にて一般公開。基本コンセプトは歴代のGolf Cabrioletのそれを踏襲しますが、時代の要請からかBピラー/ロールオーバーバーは取り払われ、緊急時にはEos同様"Aktives überrollschutz-System"が動作するようになっています。また、折り畳んだ際の幌も完全にボディ内部へ格納されるようになり、「背負い」形式ではなくなりました。幌は全車電動で、30km/hまでなら走行中の開閉も可能。トリムレベルは存在せず、内外装はオプションの「xxパッケージ」を選択することで差がつけられるようになっています。生産は旧KarmannのOsnabrück工場(現在はVWの工場)。

さて、1:87ミニカーですが。ベース車両である6代目Golfは既にWikingが製品化しているためCabrioletもWiking製となるのが順当とばかり思っていたのですが、予想を裏切ってHerpa製となっています。微妙に合理的でないような気がしますが、現在のVWとしては各ミニカーメーカーに均等に発注することのほうが重要なのでしょう。なお、この別注品から価格が14.90ユーロ(従来はおなじ仕様で10.90ユーロ)に上がっていますが、これはいままで他社製のものと比較するとVW製が突出して安価であったので、バランスを取るための措置と思われます。

Herpa製のセオリーどおり、ミニカーとしての格好良さを追求したと思われる造形ですが、これはなにやら「Golfじゃない」感が満載となっています。Golfにしては車高が低すぎ。シートももう少しウエストラインから覗いているはずです。フロントグリルのルーバーとアンダーグリルの縁取りがメッキされているので、モデルとなった実車は"Design & Style"-Paketか"Performance"-Paket装着車と思われます。アロイ・ホイールは新造で、Poloの"Boavista"に似た5本スポークとなっていますが、これは実車の標準設定にはないデザインです。

なお、2021年、じつに7年ぶりに登場したHerpa標準品は、ボディカラーをSweetdategold(M)としていますが、確かにこの色、Volkswagenのものではあるのですが、実車のGolf Cabrioletで標準選択可能な色として設定されたことはいちどもありません。わざと間違っている可能性が大です。