これが"Caddy Pickup"。2代目Caddyと同様に3代目Poloをベースとし、おなじ時期に販売されていたにもかかわらず、明らかにCaddyとは異なったスタイリングを持つという、なんとも不思議なクルマです。通常のCaddyが3代目Golfに代表されるような90年代前半のやや丸みを帯びたデザインであるのに対して、Pickupは2代目Golfの直線的なラインを引きずっている感じ。内装に関してもまったく同様。Caddyの内装は3代目Poloそのものなのですが、Pickupのそれはまるで2代目Golfとなっています。唯一、ハッピーフェイスとなっているフロントグリル回りがかろうじて90年代後半のVW車であることを主張しています。ベースはおなじながら、経由先がSeat CordobaかSkoda Feliciaかでこのような違いが生じたものと思われます。

数あるVW車の中でも突出したマイナー具合を誇るこのクルマを1:87スケールでミニカー化しているのはチェコのCStrainというメーカー。CStrainはSkoda Feliciaのバリエーションだけを取り揃えるという奇妙な愛国心に溢れたメーカーで、Caddy Pickupはおそらく同型車のよしみで作られた模様。マイナーどころの製品ながらかなり確実な造形をしています。