これはBraunschweig消防の"Werkstattwagen"。Braunschweig市は、Hannoverの南東55kmほどの場所にあるNiedersachsen州第2の都市で、ここから25km北東にVolkswagenグループの本拠地であるWolfsburg市があります。かの「国民車」計画の折にはKdf市に建設される工場で働く職工を養成するための「プレ工場」が設けられるなど、旧くからVWとの関わりが深い街として知られています。交通の要衝ですので、現在でもカンパニーカー持ち以上のWolfsburg勤務者が好んで住所を構えることが多い模様。かのFerdinand Piëchも社長時代にはここに住まわれていたそうです。

"Werkstattwagen"は直訳すると「工作車両」ですが、正確な職分についてはよくわかりません。ただ、ミニカーではいかにもそれらしく、荷室部分のサイドウインドウは右側スライドドアのみとなっており、残りはすべてパネルで覆われています。このボディ形態は厳密にはMaxi Kastenに右スライドドア部分の窓をオプションで追加したものに過ぎず、"Halbbus"などという呼称は公式には存在しないのですが、ややこしいのでRietzeの用いる呼びかたをここでは採用しています。ちなみに商用車系のCaddyの場合、標準では荷室部分のサイドウインドウははめ殺しで開閉しません。これは「働くクルマ」ですので装飾系のオプションは装備しておらず、バンパーガードは生地色でスチールホイールとなっています。Rietze製の新型Caddyでは、Maxiに限ってボディとバンパーガードを一体パーツとしておりますので(ショートホイールベース版では分割されている)、色の違いは塗り分けで再現されています。