2006年は初代Golf GTIの生誕30周年でしたが、まさに満を持してというか、30年後にしてようやくというべきか、Wiking製のGolf GTIが登場いたしました。Brekina製のGTIが既にあるにもかかわらず敢えてWikingで作るとは、さすがにツボをよくわかっていらっしゃる。しかも新しく型を起こすのではなく、従来製品の型にこだわるあたりはもはや感動すら覚えます。ホイールをよりリアルなものに入れ替え、ディテールを色挿しで追加しているだけなのですが、これだけでGTIに見えてしまうのは立派としかいいようがありません。元の型の素性がいかに素晴らしいものであったかがよくわかりますね。

MarsrotはAutoMuseum Volkswagenの特注品。おそらくは所蔵車をモデルにしているものと思われます。AutoMuseum VolkswagenのGTIはウレタンバンパーを装着しているので、ミニカー側の仕様とも齟齬がありません。いっぽう、Alpinweißは時期的に第5世代Golf GTIのコマーシャル・フィルムで競演したGTIがモデルのように思えるのですが、残念ながらこれの実車は金属製のバンパーを装着していましたから、もしわたしの想像が正しいとすれば、こちらは実車とミニカーの仕様が異なることになります。

Schwarz-1は2010年になってようやくWiking標準品としてラインアップされたもの。VW特注品の2台では再現されていなかったフロントグリルの赤い縁取りが追加され、さりげなく"GTI"エンブレムも正しい位置に修正するなど細かな気配りが感じられます。Schwarz-2はこれをベースに作られた二次加工品。

さらに、Diamantsilber(M)、Viperngrün(M)の2台は、それから10年後の2016年にGTIの生誕40周年を祝して"Volkswagen Classic"が制作、同年の"Techno Classica Essen"にて販売されたもの。10年前に出されたミニカーをしっかり記憶していて、敢えておなじものを被せてくる(しかもボディカラーはちゃんと変えてくる)あたり、このミニカーたちの企画者はこれまた「よくわかってらっしゃる」感じ。ただ、少々気になるのは、果たしてViperngrün(M)のGTIというのが実在したのか？という点。ご存じの向きはご存じのように、GTI系車両のカラーバリエーションは基本的に白、赤、黒、銀のような定番色で構成されるのが通例ですので。確かに通常のGolfには当該色は1978年まで設定されているのですが、果たしてこの色のGTIは実在したのでしょうか？

それはさて置き。Alpinweißはディスプレイケース入り。いかにも1970年代チックな背景(透明カバーに外側からプリントされています)、フィギュア付属という豪華仕様です。フィギュアが日本で白いGTIを維持されているあのかたに風体が似ているという噂も。