第6世代Golfで追加されたバリエーション"GTD"は、2009年3月の"AMI (Auto Mobil International) Leipzig"にて公開されました。5代目GTIから始まった一連の「復活」系コンセプトに基づいた車種で、1982年、初代Golfのときに登場した"GTD"をそのルーツとしています。ネーミングが示すとおりディーゼルエンジンを搭載するGolfのスポーティ版であり、GTIとはラインアップ上対置されます("R"は別格)。搭載エンジンは125kW/170PSの2.0 TDIで、数値的にガソリンエンジンのGTIに劣るものの、最高時速が222km/h、100km/hまでの到達時間は8.1秒、100kmあたりの燃料消費が5.3リッターというパフォーマンスを有します。ディーゼル車が一般的なものとなっているドイツ本国では、受注開始後しばらくは納車待ち期間が1年を超えるほどの人気ぶり。2010年4月にドイツを訪れた際に見ることのできたGTDは"Kunden Center"から出てきたばかりの1台きりだったのですが、ステアリングを握っているオーナーさんの誇らしげな表情がなんとも印象的で、かなり鮮烈な記憶となって残っています。

Wikingでは、このGTDを2010年6月度の新商品としてラインアップ。基本的に外見をおなじくするGTIの型をそのまま流用したもので、このため完全な新規製品("Neuheiten")ではなく、既存製品のバリエーション("Modellpflege")扱いとされています。メッキされたフロントグリルの上下ルーバーや"GTD"エンブレムなど色差しで対処可能な箇所は確かにGTDなのですが、マフラーエンドのような再現に金型改修が必要な部分にまでは手が回らないためGTIとおなじ左右振り分けの2本出しのまま(実車は左側のみの2本出し)。