第7世代のGolfは2012年9月4日、Berlinにて発表されました。さすが基幹車種だけあって、9月29日からの"Mondial de l'Automobile"(パリサロン)では"GTI Concept"、"BlueMotion Concept"という2種のバリエーションモデルが早くも公開されています。6代目Golfが実質5代目の超ビッグマイナーチェンジであったのに対し、7代目は従来の「プラットフォーム・ストラテジー」を置換する「モジュラー･ストラテジー」たる"MQB"(Modulen Quer Baukasten)を採用する完全な新型車。4,349*1,799*1,452のボディサイズは先代より53mm長く13mm幅広となりますが、逆に全高は28mm低くなっています。いっぽう、ホイールベースは2,578mmから2,637mmへと大幅に拡大、這いつくばるかの如きスタイリングを実現させています。

さて、1:87スケール・ミニカーなのですが。Volkswagenの屋台骨ともいえるこの車種をVW公認でミニカー化するのは3代目以降Wikingと決まっていて、なおかつ近年の持ち回り制度においてもこんどはWikingの順番であったため、誰もがWikingによるミニカー化を疑わなかったものと思うのですが、いざ蓋を開いてみるとそこにはHerpaでもWikingでもなくRietzeが割り込んでいました。大番狂わせですRietzeがVW乗用車のミニカーを受注するのはじつはこれが初めて。してやったりなRietzeはともかくとして、60年近く「特別な仲」を維持してきたWikingにとっては相当な屈辱だったのではないでしょうか。ミニカーの仕上がりを見る限りでは、いかに昨今Rietzeの技術力が向上したとはいえ、少なくとも乗用車ではWikingには到底及んでいない感じですから、おそらくこの「どんでん返し」には発注金額(コスト)という現実的な問題が大きく作用したものと思われます。