代替燃料自動車への移行をVolkswagenが目標に掲げたことからその登場がいちじは危ぶまれていた第8世代のGolfですが、はぼスケジュールどおりに登場することになりました。ただし初公開はお馴染み"IAA Frankfurt"ではなくお膝元Wolfuburgにて2019年10月24日に実施。
　紛れなくGolfであると断言して差し支えないレベルの正常進化です。ボディサイズは公称値で4,284*1,789*1,491で、ホイールベースは2,691mm。先代より全長こそ30mmほど長くなっていますが、ほかはごくごくわずかですが小さくなっています。ホイールベースも10mm短縮されました。極めてデジタライズされた内装および機能を採用しているのが話題となっていますが、どうやらこれはハイエンドモデルだけに限ったことではないようで、最廉価バージョンでもLEDライト、デジタルコクピット、マルチファンクションステアリング、XDS、オートホールド機能つき電動パーキングブレーキ、キーレススタートなどのようなひとむかしならオプションだった機能が標準で装備されている模様です。"Trendline""Comforitline""Highline"に代わり第8世代では(無印)"Golf""Life""Style"と装備系列(俗にいうグレード)を呼ぶようです(正確にはさきの3つに"R-Line"を加えた4種類)。なお3ドアモデルは存在せず、5ドアが標準となります。

いかに自社のロゴを冠した1:87スケール特注品ミニカーを企画するのをやめてしまったとはいえ、Volkswagenにとって象徴的なこの車種に関してはそのようなわけにもいきますまい、そう信じていたらやはり実在しました。Wolfsburgの発表会において配られたものと推測されるSpark製のVW別注品です。少数生産が基本のSpark製ですから、おそらく発注数量は300～500個くらい。この個数を多いと取るのか少ないと考えるのかは微妙なところですが、今後、VW新型車の1:87ミニカーが出る可能性は低いと考えられているため、"ebay.de"などのオークションサイトでも出品価格からして高止まり気味となっています。
　ミニカーとしてはレジン造形品に属するのでシャープとはいい難いものの現在のところこれしか存在しないので文句は申せません。"WOB GO800"というライセンスプレートをつけているところから実在する広報車をモデルにしている模様。装備系列は"Style"で18インチのアロイ・ホイール"Dallas"を装着しています。

さすがに第8世代Golfの1:87ミニカーは1台しかないか、とほとんど諦めかけていたのですが、早々にバリエーションが存在することが明らかとなりました。こちらは2019年12月1日にポルトガルはPortoで開催された国際試乗会においてメディア関係者向けに配られたとされるVW別注品。発表会で配布されたものとはボディカラーとライセンスプレートに記されたナンバーだけが異なるのかと思いきや、こちらはアロイ・ホイールが18インチ"Bergamo"となっています。これら2台のミニカーは、通常であれば手にできるのがスタッフあるいはメディア関係者に限定されておりますから、このような細かい配慮をしたところで気付くかたはほとんどいないのではないかと思われるのですが。このこだわり、わかるようなわからないような。

こちらがパッケージ。2015年あたりまでのVW別注品によく見られた「看板つきの黒箱」は採用されず、Sparkの包装方式をそのまま使っているためサイズ的には従来品よりかなり小さめ。プラスチック・ケース外周の紙製スリーブの色こそ異なりますが、デザイン基調は同一であることがわかります。Wolfsburgでの発表会バージョンは第8世代GolfのイメージカラーであるLimonengelb(M)を連想させる色を用いていますが、なぜかミニカーの色はDelfingrau(M)。

パッケージ背面です。Volkswagenロゴも2019年に採用された新しいタイプになっています。よく見ると国際試乗会バージョンでは、パッケージ全体を覆っているビニールっぽいものが写っておりますが、オリジナルの状態はこちら。発表会のほうはどこかで外側の包装が取り去られてしまったものと思われます。