1:87スケールの後期型Crafterでいちばんはじめに登場したのは、"Kasten, Mittlerer Radstand, Hochdach"のVW別注品。前期型はHerpa製でしたが、意外なことに後期型ではRietzeがその栄誉に与かっています。それでRietzeが奮起したのか、それとも品質を懸念したVWが厳しく監修したのか、そのあたりの真偽は定かではありませんがとにかく素晴らしい出来となっています。細部への色差しはもちろん、ボディにはクリア・フィニッシュが施されていて、見た目の麗しさはひょっとしたらHerpaを上回るかも、といった感じ。加えてポイントが高いのは、後発のRietze標準品にVW別注品のクオリティがそのままフィードバックされているという点。塗装はいうまでもなく、ドアミラーへの色差しや、リアエンブレムのタンポ印刷といったディテール表現まできっちり反映されています。VW別注品とRietze標準品で異なるのは、スチールホイール中央部分への黒い色差しの有無のみ。

そんな、Rietzeの面目躍如たるCrafter後期型のミニカーですが、ただひとつ弱点があるとしたらそれは組み付け精度について。パーツ間の噛み合わせが若干ピーキーで、組み付けが適正でないと、このただでさえ巨大なボディが激しく傾いた状態になってしまいます。1:87ミニカーは縮尺が縮尺ですので、組み立て如何によって見た目のスタイリングに影響が出やすいのですが、ここまで極端なものは近年の製品では珍しいです。