それまでのVW車では見られなかった高い品質感が、5代目Passatでは内外装のあちこちに散りばめられています。"Käfer"のそれをモチーフとした緩やかなアーチ状のルーフを持つCd値が0.27のボディはフルジンクで、それまで6年間だった錆穴保証は一気に11年まで延長され、プレスおよび組み付け技術の精度向上により各パネル間のクリアランスは驚くほど小さくなりました。内装ではシボ模様の細密化、各パーツのソフト塗装、ダンパー入りのアシストグリップ、隙間なく閉じることが可能なエア・アウトレットなど枚挙に暇がありません。

そんな5代目Passatの品質の高さ、精度の高さを体現するのがHerpa製の1:87ミニカー。灯火類やグリルがボディとぴたりと一体化しているさまは実車もかくやと思わせるクオリティ。あまりに各パーツが隙間なく組まれているため分解/組立/調整などはもはや困難です。

"Brillant Serie"は2000年から設定されたHerpaの新シリーズ。陳腐化の目立ちつつあった"Private Collection"の原点回帰を企図したはずが、蓋を開いてみると単なるeXtra Shop専売の商品となってしまっていました。手の入れかたも驚くほどのものではありません。リアのVWエンブレムが塗装されているのはHerpa製のVWミニカーでは初となりますが、BMWやPorsche車両では以前から行われておりましたので。