2010年10月の"Mondial de l'Automobile"(パリサロン)にて一般公開された7代目Passatです。発表時のプレス･リリースでVWが自ら「7代目」であることを公式に表明していますが、2008年以降行われてきた"Design-DNA"注入系モデルチェンジであり、実質的には6代目のスキンチェンジ版に該当します。外見的には、「Walter de' Silva顔」となったフロント部、Audiの匂いを感じさせるリア部のほかにはとくに変わりがないように見えますが、整合を保つために前後フェンダー部やドアパネルなどもプレスラインが変更されており、先代と共通なのはおそらくルーフ部分のみと思われます。フロントグリルは先行して発表されているPhaetonに似た、「上下の囲いも含めた4本ルーバー」ですが、Passatではグリル全体はピアノブラック加工、ルーバー部分のみにメッキを掛けるという手法を採ることでPhaetonとの違いを演出しています。

1:87ミニカーの世界において自動車メーカーが新型車両の別注品を出すかどうかは、もっぱら「相応のプロモーション効果があるかどうか」という極めて資本主義的な原理によって決まるため、完全な新型車と比較すると相対的にインパクトの乏しいマイナーチェンジの場合はミニカー化が見送られることが多く、したがって昨今の「新型」ではGolf Variantを筆頭にTouran、Phaeton、Caddy、Eosなど登場する見込みが薄いものが積み重なってきているのですが、さすがに公式に「7代目」を謳い、大舞台での発表となったPassatに関してはきっちりフォローされています。メーカーは6代目とおなじWiking。見た目が変わったためボディやシャシーが新規なのはもちろん、ウインドウや内装パーツに至るまですべてが作り直されているのですが、なぜかシャープさは先代と比べると微妙に見劣りするものとなっています。