Rudolf Leidingの号令のもと、初代Audi 80のコンポーネントを可能な限り転用して生み出されたのがPassatであることは既に触れましたが、これにVWブランドとして独自の付加価値を付与したバリエーションがPassat Variantです。いわゆる3ボックスセダンであるAudi 80や"Fliesheck"(ファストバック)であるPassatに対し、荷室部分をそのままボディエンドまで延伸してワゴン形状とすることで、スタイリングこそ商用車的にはなるものの、自動車としての利便性をより拡大させることに成功しています。登場はファストバック版より少々遅れて1974年。

1:87の世界では、ながらく空白となっていた初代Passat Variantのミニカーですが、ようやく2012年になってBrekinaから発売されました(発表は2011年)。発表当時の実車をモデルとしているものと思われます。こうして見ると、オリジナル・モデルであるAudi 80に酷似しているのがよくわかりますね。メッキされたバンパーやおなじくメッキされたモール類、テールエンドのエンブレムからもわかるとおりグレードは"L"。Brekinaでの製品系列としては"DRUMMER"と普及クラスからのリリースですが、なかなかどうしてよくできています。"DBP"の2台はモールの表現が省略されていたり、黒ホイールを履くことからグレードは"L"ではないものと思われますが、テールゲートのエンブレムは"L"のまま。いっぽう、Ozeanicblauは2013年になって追加されたカラーバリエーションですが、こちらはエンブレムが"LS"になっています。正直、なにをもってグレードが違うことを主張しているのかさっぱりわかりません。