"Harlekin"はイタリアの即興喜劇"Commedia dell'arte"に登場するキャラクターのひとりでイタリア語では"Arlecchino"、フランス語では"Arlequin"。道化役の代表格で、鼻までを隠したハーフマスクに菱形模様の衣裳を身に着けています。Poloの"Harlekin"では、ボディパネルを「菱形模様」に見立て、衣裳さながらの配色を施したというわけ。

もともと"Halrekin"は3代目Poloのプロモーション用に作られたもので、4色のパネルはそれぞれ駆動系および外装、内装、特別装備、ボディカラーに見立てられており、これらを自由に組み合わせて好みのクルマを作れることを意味していました。ところがたいへんな反響を呼んだことから、VWでは1995年の終わりからこれを特別仕様車として受注することになります。ボディタイプは4ドアハッチバックのみ、パネルの組み合わせは"Version-1"から"Version-4"までの4種類。通常モデルと同様、ホイールその他の装備を選ぶことが可能でした。4,000台近く生産されたようですが、限定車ではなく単なる特別仕様車なので正確な台数は不明です。なお、日本国内でも目撃例があるようなのですが、あれは豊橋で造られたものでオリジナルではないことに注意してください。

　Herpaが"Private Collection"として発売した製品番号183543はおそらくプロモーションモデルをミニカー化したもの。VW特注品の4台セットが市販された特別仕様車のミニカー化、ということになります。じつは特別仕様車では標準で大型バンパーガードを装着、フロントグリルの周囲はボンネットとではなくフロントフェンダーと同色になるはずですので、VW特注品の4台は微妙に間違っているのですが、実車とは異なりたったひとつのボディパーツをわざわざ塗り分けている手間を考えると、突っ込むのも気の毒な感じ。