VWのニュージェネレーション第2弾として1974年3月の"Salon International de l'Auto"で一般公開されたのが初代のSciroccoです。ベース車であるGolfより発表は2ヶ月先行していますが、開発着手はSciroccoのほうが後ですからやはり「Golfの派生車」と考えるのが適切でしょう。GolfとSciroccoの関係はKäferとKarmann Ghiaのそれをなぞっており、生産もWilhelm Karmann GmbHのOsnabrück工場に委託されています。"Entwicklungsauftrag"(開発コード)はEA398、Typコードはいままで使用されていなかったTyp5(Typ53x)が与えられています。デザインはGolfと同様Giorgio Giugiaroの手によるものですが、ボディパネルはいっさい共用せず、まったくのオリジナル。

Sciroccoには当初37kW/50PSの1.1リッター、51kW/70PSおよび63kW/85PSの1.5リッターのエンジンと、"L"、"S"、"TS"の3つのグレード、10色のボディカラーが用意されていました。加えて1976年6月にはまたしてもGolf GTIに先行してScirocco GTIが登場することになります。

1978年にHerpaが初めて世に送り出した1:87ミニカー6種のうちの1台がこのSciroccoです。最初期の製品だけあってパーツ割りは必要最低限ですし、まだタイヤとホイールが分割されておらず全車種共通のものが使われています。車台には"VW SCIROCCO GTI"とモールドされておりますのでモデルとなった実車はGTIなのであろうと思われますが、ワイパーアームは2本ですからこれは1976年モデル。

Kieferngrün(M)は300SLerさんにご紹介いただいた英国のお店から通販で購入したもの、残りの6台はIMAGINEさんからお譲りいただいたものです。