VW初の「プレミアムSUV」Touaregは2002年の"Mondial de l'Automobile"(パリサロン)で一般公開されました。Porscheとの共同開発で、Porsche Cayenneとはプラットフォームを共有する兄弟にあたることはよく知られているとおり。2006年にはAudi Q7も加わって3兄弟となります。生産は3兄弟揃ってVolkswagen Slovakia a.s.のBratislava工場で行われています。"Touareg"の名前の由来がサハラ砂漠西部の"Tuareg"族であることもよく知られていますが、じつはこの"Tuareg"族、「好戦的な遊牧民」という表面的な属性とは別に、「高貴な出自の者」と自らを称するBerber人系の民族であるという側面も併せ持っています。「プレミアムSUV」のネーミングとしてこの名前を選んだセンスにはかなり深いものがありますね。

さて、Touaregは1:87スケールではWikingがミニカー化しているのですが、ディテールの違いによるバリエーションがいくつか確認されています。どうやら実車のエンジン排気量により装備が異なるのを再現している模様。Blackmagicを除く5台は、フロントグリルのルーバーやサイドウインドウのサッシ、プロテクションモール部のクロムメッキ表現がありませんので、最もベーシックなグレードである162kW/220PSの3.2 V6を再現しているものと思われます。さらにこの5台はおなじV6でもSilberblauの2台は"Dachkantenspoiler"、SchlfgrünとOffloadgreyは"Dachgepäckträger"装備といった細かな違いが与えられております。Blackmagicは"V6"では唯一のVW別注品。フロントグリルのルーバーがメッキされておらず、エンブレムは実在しない"Touareg/V8 TDI"という、なんとも奇妙なものになっています。じつは実車の計画段階ではこのエンジンは実在していて、このミニカーは企画担当者が悪戯してこの仕様にしたのではないかという噂もあるほど。

Campanellaweiß、Silberblau-1はパワーボートを牽引しているのですが、これがまた凄いことにボートまでが2003年市場参入の"Volkswagen Marine"仕様であり、エンジンルームに装備された2基のTDIエンジンを見ることができるというものとなっています。

2006年に登場したSilberblau-2は"Pferdeanhänger"、すなわち馬搬送用のトレーラーを牽引しています。ただ、パッケージ画像のそれに乗っているのはどう見ても象。Touaregそのものには下回りの構成部品が黒(Silberblau-1ではベージュ)になっているという、本質とは直接関係のない微妙な違いが。