T3 Hochdach、すなわちハイルーフ仕様は、1:87スケールではWikingのみがミニカー化しています。"Neuer Gelber Katalog"によればKastenのみでPost、Telekom関係しか存在しないはずなのですが、Berlinで発見されたSignalweißは無地(プリントなし)モデルとなっています。"Postreklame"の3台は車台の色が白か黒か、ヘッドライト部分が銀色に塗られているかいないかという点において違いがあります。なお、車台が白のものはどうやら後加工品のようなのですが、加工が上手過ぎて指摘があるまでは見破れませんでした。

2009年に出た"interRent"セットには2種類ありますが、ハイルーフ仕様のT3 Kastenが含まれるのは"Interessengemeinschaft T2"が"Techno Classica Essen"の記念モデルとして用意したもののほうになります。"interRent"はその名前からも推測できるようにレンタカー会社ですが、レンタカー大手の"Europcar"と基本的にはおなじものと考えて差し支えありません。ご承知のように"Eurpocar"は1970年にVWに買収、2006年に"Eurazeo"に売却されていますが、買収直後の1971年から、VWは社名を"Europcar"から"interRent"に変えるべくいろいろ画策していたようです。今回ミニカー化されたセットは、まさにこの時期の"interRent"社用車をモデルとしている模様。ここまでわかって参りますと、なぜ"interRent"ではVW車ばかりミニカー化されているのか、あるいはなぜそのボディカラーがVWのそれと類似した青であるのかといったあたりの事情が憶測できるわけでして。

このEnzianblauという色は特定企業向けの特注色(RAL標準色)ですが、"L51B"という"L-code"を持っています。同一グループ下なのでひいきされているというわけではなくて、VWの生産ライン上で塗装される色には"L-code"が必ず付与されますので誤解のないよう。