数あるT4をベースにした"Reisemobil"(キャンピングカー)の中でも、つとに有名なのが"Westfalia Van Conversion GmbH"、略してWestfaliaが製作する"California"シリーズです。VWでもWestfalia製キャンパーをほぼ「公式車種」扱いしており、カタログなどもVWそのものの体裁になっていますから、広く知られているのも道理といえるでしょう。

T4の"California"には、"Langer Radstand, Hochdach"をベースにした"Club"やTour"、特別仕様車の"Biker"、"Exclusive"などもあるのですが、Herpaが1:87スケールでミニカー化しているのは2,920mmの"Kurzer Radstand"をベースにした"Coach"の"Aufstelldach"(ポップアップルーフ)版。ちなみに、"Coach"にも"Hochdach"モデルの設定があります(後期モデルでは両者の中間的存在の"Compactdach"が追加)。

ミニカーとしてはさすがに実車同様のギミックは仕込まれておらず、ルーフ部分を一旦外し別パーツで付属するテントの部分をボディとの間にはめ込むようになっています。ボンネット左上、左後部パネル、およびリアゲートに施された"California Coach"のプリントはそのものずばりのデザイン。ここまでやっておきながら、なぜかポップアップルーフの"Westfalia"プリントは省略。AWMの「Dehler風」とは異なりこのミニカーでは内装パーツも新造されていて、車内左側に設置されたキッチンや衣装棚、清水タンクを装備するため底上げされた後部フロアなどが再現されています。