2016年8月のwiking新商品として出現した後期型T5のCalifornia。実車の世界ではT6が登場済みですから、かなり遅れてやって来たミニカーといった感じです。T5がフェイスリフトしてからほどなくしてVWはプロモーション用の1:87スケール・ミニカーをRietze製に切り替えたりしていましたから(そのRietzeさえもがのちに縁切り状態となってしまう)、そのあたりの事情もまんざら無関係ではないような。

1:87ミニカーの世界では、あと出しで外観が微妙に異なるバリエーション車種を作ることはあまりないのですが、このWiking製T5の場合はパーツ分割が実車に寄せてあるため比較的容易にこの「後期型T5 California」を作りえたものと思います。既存の前期型Californiaのボディ上屋にこれまた既存の後期型T5のバンパー、ヘッドライト、フロントグリルパーツを組み合わせているわけですね。あらかじめ考えたうえで作られていないと、このような芸当は到底実現不可能。つまり、Wikingの設計者はVolkwagen車が外見上どこを変えることでモデル・バリエーションを作っているのか、フェイスリフトではなにを変更して新しさを演出するのか、そのあたりをきちんと理解したうえでパーツ分割をしているということにほかならないわけで。これには脱帽するよりほかありません。