"Paris-Dakar"にRace Touaregのサポートカーとして参加したT5をモチーフとして、2008年に特別仕様車として登場したのが"PanAmericana"です。人気を博したのか、2009年モデルからは"Multivan"のバリエーションのひとつとして標準のラインアップに追加され、フェイスリフトが実施されて以降もそのポジションを維持しています。ボディ側面とリアゲートにプリントされた"PanAmericana"マークがそのアイキャッチ。"Multivan"のトリムレベルに準じた扱いとなっており、"Comfortline"と"Highline"の間にポジショニングされます。キャラクターとして「オールラウンダー」を意識しているため、全車"4MOTION"。

Wiking標準品のフェイスリフト版T5としては最初の1台となるのがこの"PanAmericana"で、2010年4月度の新商品。事前に公開されていた画像ではフェイスリフト前の型となっていたのですが、いざ現物が発売されてみたら新型になっていたという謎の多い製品です。"PanAmericana"では従来Saltlakegreyしかボディカラーが選べなかったのですが、フェイスリフト後は4色から選択可能となりました。Sandbeigeはその中の1色。先行するVW標準品との差別化を図るため標準品では仕様の細部を変えてくるというのが昨今のWikingの手法ですが、この1台もそのやりかたに倣ったもの。"PanAmericana"マークはもちろん、ルーバーにメッキの入らないフロントグリル、生地色のバンパーガードを再現、ホイールはVW別注品とは異なる"Miyato"を履かせ、標準装備のティンテッドガラスを表現するためクリアパーツの成型色を変えるなど手を尽くしていますが、メッキされたアンダーガードや生地色フェンダーおよびドアプロテクターなどといったコスト的に手を出せない部分の再現は見送られています。また、ドアミラーも生地色となっていますが、実車ではボディ同色が標準。