全高が2,476mmとなる"Hochdach"(ハイルーフ)仕様のT5 Kombiです。ハイルーフは通常のものと比較すると486mmも高くなっており、クルマとしてのバランスが取れなくなるため"langer Radstand"にのみ設定されています。高められたルーフ部分にはオプションでラゲッジネットを装備することも可能。

ところで、Kombiの場合"Kurzer Radstand"でも"Langer Radstand"でも乗車定員は9名と変わりません。それでは延伸されたホイールベース分のスペースはどのように使われるのかというと、もっぱらレイアウト上の余裕("langer Radstand"では4列レイアウトが可能)、あるいは荷物置き場として用いられることを想定している模様です。

さて、Rietze製のT5/LR Kombiのハイルーフバージョンです。おおよそミニカー化とは縁のなさそうなバリエーションを製品化してくれたことには拍手喝采を贈りたいところなのですが、ひじょうに残念なことに誤りがひとつだけあります。リアゲートの形状ですが、Hochdachに限っては上方に向かって開くはね上げ式の"Heckklappe"ではなく、外ヒンジで中央から左右に展開する"Hecktüren"が標準装備なのですね。"Heckklappe"はオプションでもHochdachには装着できないので、これは明白な誤りか、あるいはボディ部分の金型が流用できなくなるため妥協したかのどちらかと思われます。