Touareg、Tiguanに続くVolkswagenのSUV、T-Rocです(日本では「CUV」などと呼称されるようであるが、敢えて区別する意図がわからないので当サイトでは使用しないものとする)。"MQB-A1"プラットフォームを採用しておりますので、広い括りではGolf一族に該当します。スリーサイズも4,234*1,819*1,573で、これまたGolf級。2014年3月に"Genfer Auto-Salon"で公開された同名のコンセプトカー(3ドア)から発展したものとされており、現在のような5ドアの量産モデルは2017年8月23日、Comer湖畔のVilla Erbaにて発表されています。生産はポルトガルはSetúbalの"Autoeuropa"にて行われます。個人的にはTiguanとこのクルマが並立する意味がよくわかりませんが、こちらはおそらく、よりスポーティになった(ハッチバックテイストの)SUV、みたいな位置づけなのでしょう。あるいはVolkswagenの新・多車種展開戦略の一環。

1:87スケール・ミニカー界隈においては、HerpaのID. 3と並んで5年ぶりくらいに登場したVWの新型車両。2010年代後半から1:87スケールのVW新型車がほぼ発売されなくなりましたが、これは1)Volkswagenがプロモーション用途としてのミニカー制作を取り止めた、2)同時にVW関連商品を製作するメーカー各社に対して商標権ならびに意匠権の使用許諾料を取るようになった(所謂「版権ビジネス」)ことが原因と思われます。つまり、2025年になってようやくこの高いハードルを越えてきたのがPCX87とHerpaだったということで。おなじT-Rocでもファイスリフト後の2022年モデル以降から出てきているあたりも上記の事情が影響しているのでありましょう。できるだけ現行に近いモデルをミニカーにしたほうが売れそうだと考えたのではあるまいかと。

PCX87としては初のVolkswagen現行車。1970年代、1980年代の旧い車種に関しては手慣れたものになりつつあるものの、ラインが複雑かつ曲面多様の現行車についてはまだややもたつきを感じざるを得ません。例によって例の如く装着ホイールは2種、バンパーガード廻りの塗分けから判断するに装備系列"Style"と"R-Line"を作り分けている模様。ボディカラーも基本的には実車準拠ですが、Schwarz(M)のみルーフがSilber(M)となっており、このような2トーンは実車では標準塗色として存在しないため"L-Code"での記載を省いています。