2012年の"Mondial de l'Automobile"(パリサロン)にて初公開された、2代目となるA3 Sportbackです。21世紀に入ってから登場したAudiの新しいカテゴリである"Sportback"としては初めてのフルモデルチェンジ。先んじて発表されたCoupe版(3ドア版)のA3に続く、Audi車としてはふたつめの"MQB"適用車両となります。同一車種の中で3ドアと5ドアを作り分けているVW Golfなどとは異なり、A3の場合Coupe(無印)とSportbackではいちおう別のクルマということになっていて先代でも全長が違っていましたが、2代目では"MQB"のメリットを活かし、データ上ではフロントオーバーハング以外はCoupe版とはまったく違った数値となっています(例えばホイールベースは2,636mmで、Coupe版より35mm長い)。

1:87スケール・ミニカーはもはや寡占を通り過ぎて独占へと移行しつつあるHerpa製。いち時期散見された品質の乱れもなく安定した造作なのですが、どうもAudiがHerpaを微妙に甘やかしているような匂いがするのが面白くありません。自動車メーカー別注品としてはどれだけ実車に似せるか(実車の雰囲気を再現するか)が身上だと思うのですが、Coupe版A3でも指摘したトリムレベル表現の曖昧さや、実在しないアルミホイールなどはこのA3 Sportbackでもおなじままとされています。なお、ミニカーでは"Dachreling Aluminium eloxiert"(ルーフレール)を装備していますが、実車ではトリムレベル問わずオプションです。

上の画像は、メディア向け試乗会で配布された"Pressekit"である"MediaInfo Monaco, 11/2012"に付属するUSBメモリ。1:72スケールと、同梱のミニカーよりはやや大きめサイズ。A3 Sportbackのセットなのにクーペ仕様なのはご愛嬌ですが、なかなかどうしてよくできています。この手のものにはありがちな中国製で、底面にあるノブを押し出すとリアライセンスプレート部分からUSBコネクタが出てくる仕様。"Presskit"によくUSBメモリが付属しているのは、中にプレス・リリースや広報画像が格納されているという甚だ現実的な配慮によるものです。単なる「お土産」で終わっていないところが素敵。