元祖quattro(Ur. quattro)生誕30年を記念して、2010年の"Mondial de l'Automobile"(パリサロン)にコンセプトカーとして出品されたのがquattro condeptです。レーシングカーの性能と高い実用性の両立、という元祖quattroのコンセプトを最新のテクノロジーで再解釈したもので、そのポテンシャルは現在よりも一歩踏み出したデザインラインからも容易に推測することができます。ベースモデルであるRS 5のホイールベースを150mm切り詰めたというその成り立ちは、元祖quattroというよりはむしろSport quattroのオマージュであるように思えます。搭載されるエンジンはTT-RSとおなじ2,480ccの5気筒ターボですが、最高出力は300kW/408PS。ASFおよびカーボンで構成された軽量ボディとも相まって、100km/hまでの加速は3.9秒とされています。

コンセプトカーやデザイン・スタディの類は、1:87世界においては滅多にミニカー化されることがないのですが、2011年になって"JB Modellautos"なる新興勢力がなぜか参入してきました。しかも現在のところ、Audi系の試作車が専門という妙な徹底ぶり。販売個数も少ないので、ほとんど同人的ハンドメイドなのかと思いきや、どうやら生産は中国に委託しているっぽいという、なんだか謎のメーカーです。NEOやSparkとおなじレジン製の完成品ですが、塗装品質が先達の2社に比べると高くなっています。なお、このメーカーの処女作はおなじAudiのRosemeyer。