VW K70がもともとはNSU Ro80の姉妹車として開発されたものであり、スタイリングもおなじClaus Lutheによるものであることは広く知られています。発表直前にNSUが買収されてしまったため、結果的に初の水冷エンジン･前輪駆動のVW車として日の目を見ることについてもこれまたそのとおり。それではNSU版のK70は存在しないのかというとそのようなことはございません。文字どおり発表直前のタイミングでしたので、ほぼ量産型というのが実在していました。現在でも、ボンネット前端にNSUのバッチをつけたK70の画像を見ることができます。

Wikingが2020年10月度の新商品として投入したのが、上述のNSU版K70です。造形としては従来のVW K70となんら違いはないのですが、フロントフェイスを表現しているシールを新造してVWエンブレムを除去し、ボンネット先端のNSUバッチをプリントで再現。よく見ると前後バンパーに貼られた樹脂製の黒いガードも追加されています。これはもう紛うことなくNSU K70。その背景には、Volkswagen車両のミニカーを作りづらくなったということも横たわっているものと思われるのですが、いずれにせよこのようなバリエーションが増えてくれるのは嬉しいものです。