当サイトにおけるミニカーの掲載方針にしたがうと極めて紹介しづらいクルマ、というのがまた出て参りました。どこからどう見てもあからさまにVWの関係車両であるにもかかわらずクルマそのものはVW製ではない、というパターンです。MANもVolkswagenグループの一員ですから(2015年現在における出資比率は75%)、実質問題ないという解釈も成り立つのですが、このような認識のもとMAN車両まで蒐集の対象にするととんでもないことになってしまいます。しかたがありませんので、ここでは上掲のミニカーのように「明らかにVW自身が能動的に製作したと思われるもの」についてのみ扱うことにいたします。

このミニカーはVolkswagenの「純正パーツ」流通を担当する子会社("VOLKSWAGEN Original Teile Logistik GmbH & Co. KG"－通称"OTLG")が製作したと思われる特注品(のおそらく2015年バージョン)。おなじモチーフのCrafterというのも存在します。VWブランドではCrafter以上の貨物自動車を持たないため、物流等に関しては暗黙の了解のうちにおなじグループのMANかScaniaの車両を用いることになっているようです。このような車両はあくまで宣伝用で、実際には外部業者のトラックが使われているものとばかり思っていましたが、"OLTG"はリアルな物流子会社なので本当にこのようなデザインのクルマが用いられている模様。"TGL"はMANがラインアップするLKW(LastKraftWagen)の中ではいちばん小さいタイプの「トラック」で、積載範囲は7.5～12トン。

右サイド後方からの画像。おなじキャッチフレーズが左側はドイツ語で、右側が英語で表記されています。このミニカーはPC(ディスプレイケース)入りですが、あまり一般への訴求は考慮されていないようで、外箱(飾り箱)はHerpa標準の銀色のものをそのまま使っています。ミニカー本体も手が込んでいるのは荷室部分に施された精細なタンポ印刷だけで、車両部分はほぼ吊るしのまま。ドアサイドのグレード表記、リアコンビネーションランプへの色差しもありません。