初代の誕生からじつに15年が経過した2010年、Sharanが初のフルモデルチェンジを行い2代目となりました。"Salon International de l'Auto"にて初公開されたVWの新型車5台のうちの1台ですが、先代のモデルライフが異例に長かったこともあって内外装のデザイン、メカニズム的な目新しさからするともっとも注目度の高いクルマだったのではないかと思われます。Fordとの協力関係は既に解消されているため、すべてがVWオリジナル。エクステリア・デザインは最新の"design-DNA"に沿ったもので、ボディサイドのラインも先代の直線を基調としたものから曲面を効果的に用いた流れとなり、サイドプロテクションモールはとうとう消滅。ボディサイズは4,854*1,904*1,720(ルーフレールを含むと1,740)、ホイールベースは2,919mmと先代の最終型と比較すると220mm長く94mm幅広で、全高のみ10mm低くなっており、ホイールベースは84mm延長されています。パワートレインは新型に相応しく一新され、110kW/150PSの1.4 TSI、147kW/200PSの2.0 TSI、103kW/140PSおよび125kW/170PSの2.0 TDIの4種。いまやVW車では当たり前のDSGも搭載可能となり、2.0 TDIでは従来どおり4MOTION仕様も用意されます。

機能的なハイライトは、Caddy、T5などとおなじ「後部スライドドア」がSharanでも採用された点、これに尽きます。これはオプションで電動開閉させることも可能。乗車定員は5名もしくは7名で、こちらもオーダー時にオプション選択することになります。トリムレベルはTrendline、Comfortline、Highlineの3種ですが、フロントアンダーグリル外周のメッキ縁取りはComfortlineでも施されており、Golf系のようにここからトリムレベルを識別することはできません。違いはルーフレール(Comfortlineは生地色の黒、Highlineはメッキ)と、フロントフォグランプを標準装備するか否かで、Herpa製のミニカーではルーフレールがボディと一体成型されており色差しも行われていないため、フォグランプからHighlineをモデルにするものと推測しています。また、ミニカーではComfortline以上では標準のはずのサイドウインドウ外縁のメッキモールも再現されていません。どうやらHerpaはWikingほどトリムレベルに執着していない模様。

"Volkswagen Gesundheitswesen"は名前からもわかるように、VWのWolfsburg工場で運用される「救急車」。"Notarzt Einsatzfahrzeug"ですから、厳密には救急医を現場に派遣するドクターカーということになります。なお、おなじ「Volkswagen医療制度」部門に所属する正真正銘の「救急車」としては、"Crafter Fahrtec RTW"というのも存在します。

ジオラマなどへの配置を前提としたHerpaの"SCENIX EDITION"のSharan。鉄道模型用のトランスに接続することでヘッドライトおよびリアのコンビネーションランプが点灯するギミックを持ちます。ジオラマを持たない者には無用の長物ですが、けっこう高価なのが蒐集者泣かせ。