2010年秋、Multivan登場および四輪駆動登場25年を記念してリリースされた特別仕様車がMultivan "Edition 25"です。基本的には"Comfortline"をベースにRCD310やマルチファンクション・レザーステアリング、クルーズコントロールなどを標準装着したお買い得仕様なのですが、ご覧いただいてもおわかりのとおりいちばんの売りはその特異な外装。わざわざ黒に塗り分けられたルーフやドアハンドル、ボディサイドとリアのステッカー、専用の漆黒のアロイ・ホイールなど、どちらかといえば若年層への訴求を狙っている感じ。

VWのプロモーションモデルでこのような特別仕様車をピンポイントでミニカー化してくるのは珍しいケース。発注先はRietzeで、Rietzeでは後期型ショートホイールベースのKombiを基にこのクルマをミニカー化しています。Candyweißのボディはなぜか成型色ではなく塗装。いっぽうルーフ部分もこれまた塗装されていて、なぜこのような手間を掛けたのかいまいち理解に苦しみます。フロントのバンパーガード部分もきちんと塗り分けられていますが、そこまでやるならアンダーグリルの中央部まできちんと塗って欲しかったところです。外見的な特徴そのものは抜け目なく捉えられていますが、特筆すべきは専用装備の18インチアロイ・ホイール"AZEV Typ R"(注：通常のMultivanでもオプション装着は可能)を新規に型起こしして再現している点。このホイールはSpielwarenmesseでのRietze自身によるMessemodellでも用いられていましたが、あれはあくまでこちらの前振りだった模様。