2011年モデルからT5 Multivanに追加されたバリエーション"BlueMotion"を再現した1:87ミニカーです。この。"BlueMotion"を含む用語というのは若干ややこしくて、2012年現在では以下に示す3つが存在しています。

1. 1. BlueMotion：高効率型のTDIに軽量化や空力といった既存技術を組み合わせ省燃費を実現したモデルバリエーションに与えられるサブネーム
2. 2. BlueMotion Technology：同一エンジンを搭載する単一モデル中、最も効率の高いサブセットに冠される称号
3. 3. BlueMotion Technologies：VWの「環境技術」全体の総称(広義ではハイブリッドや電気自動車、代替燃料車をも含む)

"BlueMotion"ということばが登場した当初においては、当然1.の意味合いしか持たなかったのですが、時間の経過とともに"Technology"が追加され同時に包含する範囲が拡大されているわけです。3.は概念ですのでまだいいのですが、1.と2.にはそれぞれ実体のある製品が存在しますので事情はさらに複雑になっておりまして。商品構成上では、1.はモデルバリエーションとしてトリムレベルに準じた扱い、2.は各トリムレベル内におけるエンジンバリエーション的な扱いとなる模様。T5 Multivan後期型には1.と2.の両方が設定されているのですが、このミニカーは専用ボディカラーであるGlacierblue(M)をその身に纏っていることから1.の真正"BlueMotion"であると考えて差し支えないようです。

こちらは通常のMultivanと同時期にRietzeによって製作されたVW別注品。パーツの型こそ既存品とまったく同一ながら、細部にこだわった追加工を施されていて、見事に"BlueMotion"になりきっています。フロントグリル右側にあるはずの"BlueMotion"エンブレムこそ省略されているものの、リア側のそれはきちんとタンポ印刷されていますし、フロントフォグランプをオプション装着した際の特徴的なサイドグリルの意匠も色差しで再現。フロントアンダーグリルのルーバーに銀色の色差しがあるのはさすがにミスだと思われ、18インチ・アロイ・ホイール"AZEV Typ R"はさすがに"BlueMotion"ではオプションでも設定がないのですが(別途調達してきて履かせることは可能なので、このような個体が実在する可能性も否定はできません)、総合的にはそのようなマイナスポイントを補填してあまりある素晴らしい仕上がりとなっています。