フェイスリフト版T-Roc Cabrioletの幌を閉じた状態を再現した1:87ミニカー。メーカーはPCX87で、ほかに通常(屋根あり)のT-rocとオープン状態のT-Roc Cabrioletという計3つのバリエーションが同時に発売されています。トリムレベルは"Style"と"S-Line"が作り分けられており(バンパーガード中央およびフォグライト周囲にある黒く塗装された箇所の有無により判別)、ホイールは17インチ"Valencia"が2色と18インチ"Grange Hill"が用意されるため、ボディカラー違いも含め細かい差異をあれやこれやと愉しむことができるようになっています。

ただ、これらPCX87製のT-Rocミニカー群、2025年時点では通例のように用いられる、Volkswagenの商標権・意匠権の使用許諾を受けたしるしともいえる"Official Licenced Product"マークがパッケージのどこにも存在していません。まさか、これだけのモノを販売するのに許諾を受けていないとはとても思えないのですが。新製品として発表されてから発売までかなりの期間を要していましたし、少々気になるところではあります。

あと、PCX87のT-Rocシリーズには、なぜか下回りのモールドが施されておらずつるつるてんになっています。この、下回りモールドの省略は、所謂レジン系の1:87ミニカー(SparkやBoS-Modelsなど)では時折見られるのですが、HerpaやWikingといった金型を使用した樹脂成型タイプの製品では存在しないことになっています。PCX87は現在、後者に属しているはずで、実際、初代、2代目Golfや2代目Passatなどにはきちんと下回りが表現されています。単純に製作コストを削減するためなのか、それともほかに理由があったりするのでしょうか。