1982年2月に発表されたノッチバック版の"Derby"に続いて、第2世代Poloの3番目のボディバリエーションとして1982年8月に登場したのが"Coupe"。その形状からこちらのほうを2代目Poloの標準的なスタイルだと誤解されているかたが多いのですが、あくまで"Polo Coupe"という派生型です。

2代目Polo Coupe前期型の1:87ミニカーも、「無印」の2代目Polo前期型に続き"PCX98"の手によるもの。後発のミニカーメーカーだけに先行他社によるこれまでの製品についてよく研究しており、間隙を衝くかのような製品をつぎつぎとリリースしています。Polo Coupeも1990年代後半にAWMがミニカー化していますが、あちらはフェイスリフト版(後期型)、こちらは発表当初の形状を再現した前期型という決定的な違いが存在します。

購買意欲を刺激するために、同型の車種を単なるボディカラー違いでバリエーション展開するのではなく、実車における細かい仕様の差異を盛り込むのもこのブランドの特徴。もともと「色替え」は、最低限の追加コストで販売数を増加させる手段のひとつであったはずなのですが、これにわざわざひと手間を加えている、というわけです。このPolo Coupeの場合は、Tornadorot、Satinsilber(M)は"CL"(サイドプロテクションモールがある)、Perlgrau(M)、Heliosblau(M)が55kW/75hpの1.5lエンジンを搭載したスポーティ仕様の"GT"(2代目Golf GTIのものと似た4灯フロントグリル)、Alpinweißは特別仕様車"Fox"(サイドプロテクションモールがなく、代わりに専用のサイドストライプがある)を模したもの。